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ウェルカム・ホーム! 新潮社 鷺沢 萠

f0071477_21492060.jpg父親と息子そして父の友人の男3人で暮らす「家族」生活を描いた「渡辺毅のウェルカム・ホーム」
離婚した夫の連れ子と数年ぶりに再会する“育ての母”の気持ちを描いた「児島律子のウェルカム・ホーム」
『普通の家族」とは少しカタチが違うけど、とっても温かいふたつの家族の情景を描いたハートウォーミング・ストーリー二篇。

2篇ともに共通しているのは主人公が登場する子供へ注ぐ温かいまなざし。著者の「子供は愛されるべき、守られるべき存在である」という想いが伝わってくる。「必要とする人がいて、自分を必要としてくれる人がいる。」
「小島律子の・・」は、途中親子の気持ちのすれ違いから離れ離れになりつつも、お互い相手のことを想う気持ちは強く丁寧に描かれ、再会するまでのシーンはホロっとさせられた。
特にラスト30ページは情景が目に浮かぶようだった。
最後の一行、『それは、律子が「形のある何か」をはじめて得た瞬間であった。』とある。
主人公が長い間背負っていた重荷から解き放たれ、光を見出した瞬間でもある。
自ら命を絶ってしまった著者。この一行は著者自身が捜し求めていたものなのではないか。
それを主人公に託したような気がした。
遺作となってしまったこの作品。もっと著者の作品を読んでみたかった。
by ohtanmak | 2008-02-05 21:26 | 読書記録
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