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日本語ぽこりぽこり  小学館  アーサー・ビナード

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著者アーサー・ビナードは、日本在住のアメリカ人。詩人・翻訳家。
歌会や句会に出席して腕を磨き、詩の翻訳のほか、短歌や俳句の翻訳もしています。
本書は「Web 日本語」に掲載されたエッセイをまとめた1冊。
日本語にあって英語にない便利な言葉とは?など、日本とアメリカをよく知る著者ならではの視点から、言葉・文化・社会問題を、ユーモアたっぷりの文章で描いています。ずっと私よりも日本の文化に詳しい。^^;
言われてみればなぜ今まで疑問に思わなかったんだろう・・・・・そんな新鮮な発見を次々与えてくれるような1冊。
タイトルの「日本語ぽこりぽこり」は、著者が「マクワウリ」を辞書でひいてみたら夏目漱石の句の「吹井戸やぽこりぽこりと真桑瓜」と出会い、※漱石句集のなかでは「吹井戸やぼこりぼこりと真桑瓜」と記してあって、日本語のオノマトペ(擬声語擬態語)の面白さにひかれてつけたものとのこと。

本書で面白かったもののひとつは、
JR電車の「東北地方旅行ポスター」の中に芭蕉の句の英訳について書かれた話。
「閑さや岩にしみ入る蝉の聲」
How silent ! the cicada's voice soaks into the rocks (Basho)
↑とされた英訳は、、「silence」の語感がちがう、という。
冒頭の「How silent!」では、芭蕉が「蝉の声」をモチーフとしていることにそぐわず、まったくの無音状態に思われてしまいかねない、と述べている。私は英語はよくわからないけど、日本語のに微妙なニュアンスも使いわけているだけに、英訳についても相応な訳をしているんでしょう。
そこで、彼が翻訳するとこうなる。↓

Up here, a stillness ー
  the sound of the cicadas
  seeps into the crags.

ひとつの句の訳でも、人の感じ方によってこうも違ってくるんですね。
非常に面白かった。
講談社エッセイ賞を受賞作品。
by ohtanmak | 2007-07-18 19:45 | 読書記録
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