サンタ・エキスプレス 文藝春秋 重松清
「季節風」シリーズの完結篇。出産のために離れて暮らす母親を慕う5歳の女の子の素敵なクリスマスを描いた表題作ほか、全12編を収録。寒い季節を温かくしてくれる、ものがたり歳時記「冬」の巻。
中でも「ネコはこたつで」が良かった。(以下ネタばれになるけど・・)
田舎で暮らしていた両親。ところが突然父が亡くなり、一人息子の主人公は悩む。一人で住んでいる母をこのままにしておいて良いわけがない。でも山で暮らしてきた母がふるさとを捨ててこちらの生活に馴染むことはできないだろう、結論が出ない堂々巡り。毎年送られてきたたくさんの山の幸も今年はない。お父ちゃんと二人で作ってくれた丸餅もないと思っていた大晦日にいつもと同じ段ボールいっぱいの丸餅が届く。食べ終わりいつものような満腹感がないことに気付く家族。それは大きな手のお父ちゃんのものではなく、小さな手のお母ちゃんが作ったものだったからなのだ。日に日に元気がなくなっていく母を心配して帰省してみると1匹のネコを飼い「お父ちゃん」と名付けて楽しそうに暮らす母がいた。
ほとんど話すこともなく1日が過ぎていた暮らしから、生前「お父ちゃん」を呼ぶ回数よりももっと「お父ちゃん」と呼ぶ回数が増えたと話す母。思わず胸がいっぱいになって電車の中で泣きそうになった。
色々なことを考えさせる作品だった。
中でも「ネコはこたつで」が良かった。(以下ネタばれになるけど・・)
田舎で暮らしていた両親。ところが突然父が亡くなり、一人息子の主人公は悩む。一人で住んでいる母をこのままにしておいて良いわけがない。でも山で暮らしてきた母がふるさとを捨ててこちらの生活に馴染むことはできないだろう、結論が出ない堂々巡り。毎年送られてきたたくさんの山の幸も今年はない。お父ちゃんと二人で作ってくれた丸餅もないと思っていた大晦日にいつもと同じ段ボールいっぱいの丸餅が届く。食べ終わりいつものような満腹感がないことに気付く家族。それは大きな手のお父ちゃんのものではなく、小さな手のお母ちゃんが作ったものだったからなのだ。日に日に元気がなくなっていく母を心配して帰省してみると1匹のネコを飼い「お父ちゃん」と名付けて楽しそうに暮らす母がいた。
ほとんど話すこともなく1日が過ぎていた暮らしから、生前「お父ちゃん」を呼ぶ回数よりももっと「お父ちゃん」と呼ぶ回数が増えたと話す母。思わず胸がいっぱいになって電車の中で泣きそうになった。
色々なことを考えさせる作品だった。
by ohtanmak
| 2010-06-13 17:17
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