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バケツ 文藝春秋  北島行徳

f0071477_21203925.jpgマッチョだが気が弱い神島は、就職先の養護施設で「バケツ」というあだ名の少年と出会う。やや知的障害と盗癖があり、親兄弟にも見放された彼と同居を始めた神島は、生活費を稼ぐため、日焼けサロンや無認可保育園を立ち上げるが――。失敗をしながら、人生を見つめ直す姿に思わず応援したくなる一冊。理由なき愛を描いた表題作「バケツ」を含む中編3編の連作小説集。

障害者と聞くと、多くの人は「正しい」反応をしなければと考える。表面上差別なく、あなたも私も同じだよという態度をとることが、「正しい」とされている。それは偽善めいた硬直した態度だということを感じつつもどうすることが正しいのかは、なかなかわからない。
本書は、障害者と健常者は明らかに違うが、それは一般的にみんなが思っている「違い」とは別の「違い」だと教えてくれる。

あたたかく、やさしく、おもしろく、しかし現実の厳しさも悲しさもきちんと描いている。良い本でした。
著者の作品は初めてだが、他の作品も読んでみたい。

著者は、91年、障害者プロレス団体「ドッグレッグス」を旗揚げ。その後、毎日中学生新聞の契約記者に。98年、処女作『無敵のハンディキャップ』で講談社ノンフィクション賞受賞。
by ohtanmak | 2009-07-16 21:05 | 読書記録
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